ステージで演奏するエディ・ヴァン・ヘイレン

Guitar legend Eddie Van Halen (cq) jams during Van Halen's performance at the HP Pavilion in San Jose, Calif., on Tuesday August 10, 2004. Behind Eddie is Alex Van Halen on drums. (Sherry LaVars/Times)

Guitar Heroes

Eddie Van Halen

公開日: 2021 年 10 月 12 日

読了時間:4分

そのユニークなサウンドとタッピング奏法で一時代を築いたギターの開拓者、Eddie Van Halenの歴史、使用機材、演奏スタイルについて簡単に紹介する。

ヒストリー

アムステルダム生まれのEdward Van Halen(エドワード・ヴァン・ヘイレン)は、6歳でピアノを習い始める。父親がジャズ・ピアニストだったこともあり、彼の幼少期において、音楽は最も重要なものだった。バッハやモーツァルトに触れ、即興演奏をし、毎年開催されたピアノ・コンクールで1位を獲得。また、幼い頃からThe Beatles(ビートルズ)やDave Clark Five(デイヴ・クラーク・ファイヴ)などのバンドを聴き、やがてギターに出会い、Cream(クリーム)の曲からEric Clapton(エリック・クラプトン)のギターソロを一音一音学んでいった。

1972年に兄のAlex(アレックス)とヘヴィ・ロック・バンドを結成し、ロサンゼルスのバックヤードパーティーやクラブで演奏した後、シンガーのDavid Lee Roth(デイヴィッド・リー・ロス)とベーシストのMichael Anthony(マイケル・アンソニー)と出会い、「Mammoth(マンモス)」を結成。この頃、彼はツーハンド・タッピングという、当時のメタルやハードロックではあまり使われていなかったスタイルを実験的に取り入れた。バンドはすぐに「Van Halen」の名で活動を始め、ロサンゼルスの音楽シーンで影響力を持つようになる。

Eddieは実験的にツーハンド・タッピングを行っていた。

ステージ上で悪名高いフライング・ギター・キックを決めるエディ

UCLA Library Special Collections, CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, via Wikimedia Commons

1977年、彼らはWarner Recordsと契約。Eddieがシンセサイザーとキーボードを導入し、Van Halenを象徴する楽曲『Jump』を生み出すのに貢献し、バンドはさらに力強さを増し、80年代初頭には史上最も成功したロック・バンドのひとつとなる。JumpはUSチャートで1位を獲得し、バンドはグラミー賞にノミネートされた。

2007年、バンドVan HalenはEdward Van Halenのギタリスト個人としての作品と並んで、ロックンロールの殿堂入りを果たす。Eddieは他のアーティストの作品にも参加し、特にMichael Jackson(マイケル・ジャクソン)のヒット曲『Beat It』のソロを担当(クレジットはされていないが)。残念なことに、Eddieは癌との長い闘病生活の末、2020年10月6日に65歳でこの世を去ったが、ロック・ミュージックの世代と、ギタリストに多大な印象と影響を与え続けている。

ペダル

ギターと同様に、エディのペダルボードも年々変化していった。MXRのフェイザーとフランジャーは彼の主力ペダルで、フェイザーのエフェクトは代表曲『Eruption』で最もよく聴くことができる。これらと並んでエディが愛用していたのが、Echoplex Tape EchoとMXR Six-Band EQだ。ディストーションとドライブ・トーンのほとんどは、エディのアンプから生み出されたものだ。

ギターを弾くエディ・ヴァン・ヘイレン

Carl Lender, CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, via Wikimedia Commons

ステージで一緒に演奏するバンド全員

Photographer: AnonymousPublisher: Billboard, Public domain, via Wikimedia Commons

Eddieはツアー中、Marshallのプレキシやスーパーリードを何十台も使っていた。

ギター

フランキーとしても知られる有名な「フランケンストラト」を抜きにして、EVHを語ることはできない。スーパーストラトが基本となり、Eddieはハムバッカーを搭載したGibsonのサウンドとFenderのストラトキャスターの物理的特性を組み合わせた。エディ自身が自作した、実にユニークなギターだ。

フランキーは、その歴史の中で再塗装され、ありとあらゆる改造が施された。フランケンストラトは、Eddieが Boogie Bodies Guitarsから未完成のノーザン・アッシュ・ボディを80ドルで購入し、50ドルのメイプル・ネックを組み合わせ誕生した。彼は最初、ギターを黒く塗ったが、少し退屈に見えたのでマスキングテープと白いペンキを使い、フランケンストラトの特徴的な模様が生まれることになった。このギターは、ブリッジにGibson ES335 PAFハムバッカー・ピックアップ(これは後にエディがワックスで茹でたものだ!)、ボリューム・ポット1つ、Schallerのチューニング・ペグが取り付けられた。

その後、ギターにはさらなる改造を経て、自転車用の赤いペイントが施され、一目でそれとわかるEVHの象徴的なフランケンストラトが完成。Eddieはその後もCharvelやDanelectroのネックなどを使用し、様々なバリエーションで一貫して自身のギターをモディファイし、製作を続け、後に自身のブランドEVH Wolfgangとしてギターを製作するに至った。

アンプとブラウン・サウンド

Eddieのトーンは長年にわたって多くの分析と推測がなされ、多くのプレイヤーが「ブラウン・サウンド」と言われる彼の独特でスムースなディストーション・トーンを探し求めた。Eddieは初期に、1960年代中期から後期のMarshall Superleadの純正アンプを使っていた。時折、Superleadアンプに小さな改造を加えることもあったが、基本的にはアンプはノーマルのままだった。彼は、ダミーロード(ロードボックス)と一緒に、異なるレベルに設定されたOhmite Variac(オーム可変変圧器)を使用した。Eddieはツアー中、何十台もの Marshall PlexisやSuperleadを使用していたが、その後、他のアンプブランド、特にVan HalenがEVHブランドでFenderとパートナーシップを結ぶ際に使用したSignature Peavey 5150がよく知られている。

プレイ・スタイル

Eddie Van Halenの演奏スタイルは革命的で、それは70年代から80年代にかけてのロックとメタルの境界を無くすものだった。彼の演奏スタイル、特にタッピング奏法へのアプローチでは、クラシック教育からくる影響を見て取れる。Eddieは、大胆で力強いパワーコードに加え、極限の演奏スピードと巧みなフレーズ、ピンチハーモニクス、派手なダイブボム、そしてクラシックなEVHのタッピングを曲の随所で組み合わせた。彼の音は、多くの人が真似をするものの、決して完全に再現することのできないサウンドだった。Eddieはまた、メジャー・キーとマイナー・キーで1弦につき3つの音を使う半音/全音の運指シェイプを頻繁に使用した。

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